日本の賃金が伸び悩んできた理由を分析、賃上げがもたらす影響とは?

厚生労働省は、2023年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を公表しました。

 

「持続的な賃上げに向けて」をテーマに、日本の賃金が伸び悩んできた理由を明らかにし、賃上げが企業・労働者・経済全体に及ぼす好影響、企業業績・価格転嫁状況等と賃上げの関係等についても分析しています。

 

【白書の主なポイント】
・1990年代後半以降わが国の一人あたり名目賃金が伸び悩んだのは理由
➀名目生産性が他国と比べて伸び悩み
➁パートタイム労働者の増加等により一人あたり労働時間が減少
➂労働分配率が低下傾向にあったことが背景

 

・詳細に分析すると、企業の利益処分の変化、労使間の交渉力の変化、雇用者の構成変化、日本型雇用慣行の変容、労働者のニーズの多様化等が影響した可能性が考えられる。

 

・賃上げは、企業にとっては、求人への応募を増やす、離職率を低下させる等の効果が、労働者にとっては、仕事の満足度を高める等の効果がある。また、経済全体では、消費や生産等を増加させる効果がある。

 

・最低賃金の引上げは、最低賃金近傍だけではなく、賃金水準が中位に位置するパートタイム労働者にも効果が及ぶ可能性がある。また、同一労働同一賃金の施行は、正規と非正規雇用労働者の時給差を10%程度縮小させる等の効果があった可能性がある。

 

 

詳細は厚生労働省HPでご確認ください。

(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001149098.pdf
(本文)
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/23/23-1.html